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ステップ1:Grafana のネイティブインストール (ターミナル操作)
まずは Grafana 本体を Debian にインストールします。
1. ターミナルを開く
Gnome デスクトップの左上にある「アクティビティ」をクリックし、「端末」または「Terminal」と検索して起動します。
2. 必要なパッケージをインストール
Grafana のリポジトリ(パッケージ配布元)を追加するために必要なツールをインストールします。
Bash
sudo apt-get update
sudo apt-get install -y apt-transport-https software-properties-common wget ca-certificates
3. Grafana の GPG キーを追加
Grafana のパッケージが本物であることを OS に教えるための「GPG 署名キー」を追加します。
Bash
sudo wget -q -O /usr/share/keyrings/grafana.key https://apt.grafana.com/gpg.key
4. Grafana の APT リポジトリを追加
OS が Grafana をどこからダウンロードすればよいかを知るための設定ファイルを作成します。
Bash
echo "deb [signed-by=/usr/share/keyrings/grafana.key] https://apt.grafana.com stable main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/grafana.list
5. Grafana (OSS版) をインストール
リポジトリ情報を更新し、grafana パッケージをインストールします。これで無料のオープンソース版がインストールされます。
Bash
sudo apt-get update
sudo apt-get install grafana
ステップ2:Grafana サービスの起動 (ターミナル操作)
インストールが完了したら、Grafana サービスを起動し、PC 起動時に自動で立ち上がるように設定します。
6. サービスを起動・有効化
Bash
# systemd に新しいサービスを認識させます
sudo systemctl daemon-reload
# Grafana サービスを今すぐ起動します
sudo systemctl start grafana-server
# PC の起動時に Grafana が自動で起動するように設定します
sudo systemctl enable grafana-server
7. 起動ステータスを確認 (任意)
Grafana が正しく起動しているか確認できます。
Bash
sudo systemctl status grafana-server
active (running) と緑色で表示されていれば成功です。(q キーで status 画面を終了します)
ステップ3:ファイアウォールの設定 (必要な場合のみ)
もし Debian で ufw (Uncomplicated Firewall) などのファイアウォールを有効にしている場合は、Grafana が使用するポート 3000 を許可する必要があります。
Bash
# ufw が有効か確認
sudo ufw status
# もし active なら、ポート 3000 を許可
sudo ufw allow 3000/tcp
sudo ufw reload
ステップ4:Grafana の初期設定 (Webブラウザ操作)
ここからは Gnome デスクトップの Web ブラウザ(Firefox など)を使って設定します。
8. Grafana へアクセス
ブラウザのアドレスバーに以下を入力します。 http://localhost:3000
9. 初回ログイン
Grafana のログイン画面が表示されます。
- ユーザー名:
admin - パスワード:
admin
ログインすると、新しいパスワードに変更するよう求められますので、任意のパスワードを設定してください。
10. データソース (PostgreSQL) の追加
Grafana に、仕様書にある tt_edr_alert テーブルの場所を教えます。
- 左側のメニューから**歯車アイコン(Configuration)をクリックし、「Data Sources」**を選択します。
- **「Add new data source」**ボタンをクリックします。
- データベースの種類一覧から**「PostgreSQL」**を選択します。
11. 接続情報の入力

PostgreSQLの接続情報に基づき、以下のように入力します。
Connection
Host:localhost:5432- (仕様書の
DB_HOST“localhost” とDB_PORT“57481”)
- (仕様書の
Database: dbnameUser:userPassword:pass- (仕様書
EDR_PasswordCrackDetector...やPostgreSQL脅威検知...に記載のパスワード)
- (仕様書
SSL Mode:disable- (仕様書
EDR_PasswordCrackDetector...にSSL Mode=Disableの記述があるため)
- (仕様書
PostgreSQL Details
Search Path:edr- ※【最重要】
tt_alertテーブルはjosys_edrスキーマ内にあるため、これを指定しないとテーブルが見つかりません。
- ※【最重要】
12. 保存 & テスト
一番下にある**「Save & test」**ボタンをクリックします。 「Database connection OK」という緑色のメッセージが表示されれば、Debian 13 への Grafana 構築とデータベース接続はすべて完了です。
5. ダッシュボードとパネルの作成

Grafanaでは、ダッシュボード(大きな画用紙)の中に、「パネル」(個々のグラフ)を配置していきます。
- 左側のメニューから**「+」アイコン(Create)をクリックし、「Dashboard」**を選択します。
- 「Add new panel」(または
Add visualization)をクリックします。 - 新しいパネルの編集画面が開きます。


6. パネルのクエリ設定(グラフの作成)
ここで「どんなデータを」「どのように表示するか」を設定します。GrafanaはSQLを直接書く方法が強力です。
例1:アラート発生件数の時系列グラフ
「いつ」「どのルールで」アラートが発生したかを時系列で表示します。
- 画面下部の「Query」タブで、データソースとして先ほど設定したPostgreSQL(
EDRアラートDBなど)が選ばれていることを確認します。 - 鉛筆アイコン(Edit SQL)をクリックし、SQLエディタモードにします。
- 以下のSQLクエリを入力します。SQL
SELECT detected_at AS "time", -- Grafanaが認識する時間カラム (time) rule_name, -- 検知ルール名 (グラフの凡例になる) COUNT(alert_id) AS "件数" -- Y軸の値 FROM shema_edr.tt__alert WHERE $__timeFilter(detected_at) -- ダッシュボード右上の時間範囲指定と連動 GROUP BY "time", rule_name ORDER BY "time"; - 画面右側のパネル設定で、ビジュアライゼーション(Visualization)が**「Time series」**(時系列)になっていることを確認します。
- これで、時間経過とルールごとのアラート件数がグラフ化されます。
例2:重大度(Severity)の内訳(棒グラフ)
どの重大度のアラートが多いかを可視化します。
- ダッシュボードに戻り、再度「Add new panel」をクリックします。
- SQLエディタに以下のクエリを入力します。SQL
SELECT severity, COUNT(alert_id) AS "件数" FROM schema_edr.tt_alert WHERE $__timeFilter(detected_at) -- これも時間範囲で絞り込む GROUP BY severity ORDER BY "件数" DESC; - 画面右側のビジュアライゼーション(Visualization)から**「Bar chart」**(棒グラフ)を選択します。
7. ダッシュボードの保存
- 各パネルを「Apply」で適用し、ダッシュボード右上の「保存(フロッピーアイコン)」ボタンをクリックします。
- ダッシュボードに名前(例: “EDR 統合監視”)を付けて保存します。
Metabaseが「手軽なデータ探索」に強いとすれば、Grafanaは「専門的な監視とアラート」に強いツールです。特に、Grafanaにはパネルの閾値(しきい-ち)に基づいてアラート(EmailやSlack通知など)を飛ばす機能が標準搭載されており、EDRの運用と非常に相性が良いです。

